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中小企業のためのブランディングとは:広報PRとの連携で差別化しよう #19

新規顧客獲得や売上向上に悩む中小企業にとって、マーケティング戦略は不可欠です。しかし、画一的な施策をいくら実行しても、モノ余りで競合がひしめく現代の市場では埋もれてしまう可能性があります。そこで重要となるのが、自社の強みや個性を明確に打ち出し、顧客との深い信頼関係を築く「ブランディング」です。

今回は、新人マーケティングマネージャー向けに、具体例を交えながら、中小企業にとってのブランディングの重要性と、広報PRとの密接な関係について解説します。

参考記事:コラム | 広報PR・ブランディングのコンサルティングは|埼玉の花村広報戦略

1章:中小企業にとってのブランディング

1-1. なぜブランディングが必要なのか?

現代市場では、商品やサービスの機能や価格など数値化できる情報だけでは差別化が難しくなっています。唯一無二の商品はどこにも無く、機能や価格が大同小異となる中で、顧客は、価値観や理念に共感し、信頼できる企業から購入するようになって来ました。企業間取引の場合でも、フェアトレードやESGといった言葉に代表されるように、徐々に、価格以外の要素が重視されるようになって来ました。そこで、企業は自社の個性や魅力を明確に伝え、顧客からの共感を生み出すためのブランディングが重要となっています。

1-2. ブランディングの効果

一般的に、ブランディングには以下のような効果があると言われています。

  • プレミアム価格の設定
    同等の品質や性能であれば、強いブランドはそうではないブランドに比べて、一般的に高価格を設定できるとされています。
  • 販促費用の低減
    強いブランドは顧客が自らそのブランドを求めてくれるため、新規顧客獲得やリピート獲得に要するコストが、各段に少なくて済みます。
  • 優秀な人材の確保
    同等の品質や性能であれば、強いブランドはそうではないブランドに比べて、優秀でそのブランドに愛着を持った人材が集まるとされています。また、自らが優れたブランドの構築に貢献していると実感することで、モチベーションが向上し、社員の定着やサービス品質の向上にも繋がりやすくなります。

1-3. 中小企業におけるブランディングの重要性

「ブランディング」は、決して大企業だけのものではありません。むしろ、大企業と比べてリソースが限られる中小企業の方が、ブランディングは特に重要です。明確な経営理念の下、自社の強みや特徴による差別化を目指しましょう。

2章:ブランディングと広報PRの関係

ブランディングにより差別化したら、それを組織内外に浸透させるために、広報PR活動が重要になります。

2-1. ブランディングと広報PRの違い

  • ブランディング
    中長期的な視点で、企業理念や価値観、個性などをブランド要素(ネーム、デザイン、カラーなど)やブランド体験(ユーザーとして商品やサービスから受けるベネフィット)に反映させ、認知・理解・共感を獲得していく活動
  • 広報PR
    中長期的な視点で、ステークホルダー(顧客、仕入先、従業員、地域社会など)に対し自社を正しく理解してもらえるようにコミュニケーションを取り、良好な関係を構築し、信頼を獲得して行く活動

2-2. ブランディングと広報PRの密接な関係

ブランディングと広報PRは、表裏一体の関係にあります。ブランディングで構築した企業イメージを、広報PR活動を通じて効果的に発信することで、顧客との信頼関係を深め、ブランディングの効果も高めることができます。

2-3. 中小企業における広報PR活動の重要性

広告活動は、多額の予算を注ぎ込める大企業に対し、中小企業が上回ることは困難です。ですが、「信頼を獲得して行く活動」である広報PR活動なら、工夫次第で中小企業でもメディアに取り上げてもらうことができます。プレスリリース配信、イベント開催、地域社会との交流など、費用対効果の高い施策を実施することで、効果的に企業イメージを伝播することができます。

まとめ

中小企業にとって、ブランディングは生き残りのために必須戦略です。ブランディングと広報PRを連携させ、自社の強みや個性を顧客に効果的に伝えることで、顧客との深い信頼関係を築くことで、持続的な成長を実現させましょう。

(本記事は、埼玉でブランディングと広報PRを支援している花村広報戦略合同会社さんのコラムを参考に作成しました)